Monday, February 26, 2018 10:16 AM
サムスンSDI、中古電話のコバルト再利用
韓国の電池大手サムスンSDIは、需要増で価格が上昇するコバルトの供給を確保するため、古い電話の電池からコバルトをリサイクルする。
ブルームバーグ・クイントによると、リサイクリング技術を持つ会社に資本参加し、コバルトの長期供給契約を結ぶ予定。また、ニッケルの含有量が88%に上るニッケル・コバルト・マンガン電池のような、コバルトの代わりにニッケル使用量を増やした商品の開発にも取り組んでおり、最終的にはコバルトを全く使わない電池への移行を考えているという。
コバルトは、需要が高まる一方で供給源は限られているため、大幅な価格上昇が予想されている。コバルト生産の半分以上はコンゴ民主共和国で行われており、価格は16年以降ほぼ3倍に高騰している。
電気自動車(EV)の電池を開発する自動車メーカーやサプライヤーにとって、コバルトは重要な素材で、バッテリー向けのコバルト塩を生産するカナダのeコバルト・ソリューション(eCobalt Solutions)によると、2020年までにリチウムイオン電池の約75%にコバルトが含まれるようになると見込まれる。
25年までに25種類のEVを販売する予定のBMWは、近くリチウムとコバルトの10年供給契約を結ぶ見通しといわれている。フォルクスワーゲン(VW)も、EV電池用のコバルト供給確保を図って、17年に資源大手グレンコアなどのサプライヤーと交渉していたが、契約には至らなかったと報じられている。