Wednesday, April 11, 2018 9:56 AM
データ解析ですい臓がんの治療法開発を狙う
医療研究機関ヘンリー・フォード・ヘルス・システム(Henry Ford Health System、デトロイト拠点)は、このほど受け取った匿名の寄付金2000万ドルを、すい臓がんの早期発見に向けたビッグ・データ解析技術の開発に投じる。
同額は、同病院にとって過去最高の匿名寄付金。
研究に取り組むのは、同病院傘下のヘンリー・フォードすい臓がんセンター(Henry Ford Pancreatic Cancer Center)。
ヘルスITアナリティクス誌によると、同センターはそれにともなって、外国の研究者たちとの連携網を拡充し、すい臓がんの生体マーカーの発見に取り組む計画。
同センターのがん研究者らはその一環として、膨大な医学資料や画像、過去の治療法や効果、患者の特徴、症例の特徴といったさまざまのデータや要素を人工知能によって解析し、最適の治療法を特定する。
米国では年間に5万3000人以上がすい臓がんと診断される。すい臓がんは早期発見がきわめて困難で、発見される場合にはそのほとんどが末期か末期に近い状態だ。そのため、効果的治療法は少なく、生存率は非常に低い。発見から5年後の生存率はわずか8%だ。
同センターは以前に、デトロイトの実業家から4000万ドルの寄付金を贈られたことがある。その寄付者は、妻をすい臓がんで亡くしたことから同病院に寄付した。