Tuesday, June 21, 2016 11:19 AM

ロシア、領土返還に難色 きょう平和条約交渉

 日露両政府は22日、東京で平和条約締結交渉を開く。懸案の北方領土に関し、ロシアは「われわれは島(北方領土)を返さない」(ラブロフ外相)との立場を日本に伝えるとみられる。日本は安倍晋三首相が提唱する「新たなアプローチ」に基づく柔軟な領土交渉方針を示し、ロシアに軟化を促す構えだ。

 首相は、これまでに「新たなアプローチ」の具体的内容を明らかにしていない。大規模な対ロ経済協力をカードに、領土問題解決への対話を加速させる趣旨ではないかとの観測が出ている。領土問題に関する日ロ双方の隔たりは大きく、交渉難航が予想される。

 5月の日露首脳会談で首相が「新たなアプローチ」を提案する前、日露双方は平和条約締結交渉で、歴史的に見て北方領土がいずれの国に帰属しているかを巡り応酬を繰り返してきた。外務省幹部は22日の交渉に関し「どちらの歴史認識が正しいかを争っても結論は出ない。新しいアプローチを踏まえ、粘り強く話し合う」との見通しを示した。(共同)