Thursday, August 16, 2018 6:37 PM
ディープマインド、眼疾患診断AI技術を開発
グーグル(Google)傘下の人工知能(AI)技術開発大手ディープマインド(DeepMind、ロンドン拠点)は、ムーアフィールド眼科病院ならびにユニバーシティー・カレッジ・ロンドンと協力し、患者の目の立体(3D)スキャン画像を解析して眼疾患を診断する深層学習システムを開発した。
人工知能技術は、患者数の多い医療機関で医師や専門家らの負担を軽減し、その結果として患者ケアを向上できる可能性がある。
インクワイヤー誌によると、ディープマインドが開発した人工知能システムは、光干渉断層撮影法で撮影した網膜の立体画像約1万5000枚を使って訓練された。同システムは、一般的な約50種類の眼疾患を診断して治療法を推奨する。試験での診断精度は、人間の医師の場合の94%と高かった。
ディープマインドは、同システムの開発にあたり、スキャン・データから立体組織地図を作成し、異常がある場所を示す分割回路網(segmentation network)と、立体組織地図を解析して診断する回路網の合計二つの神経回路網を採用した。
同社のシステムは、診断結果を一つだけ示す代わりに、誤診予防策として複数の診断結果を診断根拠とともに示す。それによって、医師はそれぞれの結果を検討し、正しい診断を導くことが可能になる。
同システムはさらに、画像検査の結果をもとに、患者ごとに治療の優先度を判定する。患者数の多い医療機関では特に、専門家による画像検査の結果判定が追いつかないことがあるが、それを人工知能システムで代用することで、医療サービスの提供を改善できる可能性がある。
同システムはまだ研究段階にある。実用化のためには、一層の研究と臨床試験の実施、そして規制当局からの承認取得が必要だ。