Thursday, September 27, 2018 10:29 AM
クレジット・カード不正使用検知に機械学習
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らは、クレジット・カード不正使用を効果的に検知するディープ・フィーチャー・シンセシス(Deep Feature Synthesis=DFS)という新たな機械学習システムを開発した。
現行の不正検知システムでは、正当な使用でも不審と判断される場合が起きる。初めての店や用途でクレジット・カードを使おうとしたときに拒否されることがあるのはそのためだ。使用履歴に合致しない使われ方を怪しむようシステム設計されていることが要因だ。
イノヴェーション・エンタープライズ・チャンネルズ誌によると、MITの研究班は、銀行大手の協力を得て180万件のクレジット・カード使用データをDFSシステムに供給して機械学習システムを訓練した。「自動化特徴工学(fautomated feature engineering)」にもとづくと、訓練した結果、偽陽性(正当にもかかわらず不正と判断される)予想を従来モデルにくらべて54%下げた。
「偽陽性は、この業界がかかえる大きな課題の一つだ」と研究主任のキャリヤン・ヴィラマシャナニ氏は話す。
「われわれは、特徴工学と偽陽性に直接的関連性があると考えている」「機械学習モデルの精度を上げるには、それがもっとも効果的だ」と同氏は述べた。
DFSシステムは、13万3000件の偽陽判断から集められたくわしいデータを抽出して、別の28万9000件の偽陽判断と比較し、個々のクレジット・カード使用記録に関する200以上の特徴から抽出された情報を使って、個々の特徴が不正使用と合致するかどうかを機械学習モデルで検証した。
同システムの実用化に関する詳細はまだ具体化されていない。