Wednesday, November 14, 2018 9:28 AM
完全電化住宅104戸を建設へ〜サクラメント
104戸の完全電化住宅を建設する開発事業がカリフォルニア州サクラメントで進められている。
グリーンテック・メディアによると、住宅建設大手DRホートン(DR Horton)はこのほど、サクラメント市内北西部のノール・ナトマス地区で完全電化住宅の建設に着工した。建設工事は2019年いっぱい続く見通しだ。
それらの完全電化住宅は、ヒート・ポンプ(温度の低い所から高い所にエネルギーを移動させる機械)を利用した冷暖房機や、温水器、電磁調理器を備える一方、天然ガスの設備を持たないのが特徴。すでに6戸のモデル住宅が完成している。
この住宅開発に際しては、地元公益事業体のサクラメント自治体公益区(Sacramento Municipal Utility District=SMUD)の「完全電化スマート住宅(All-Electric Smart Home)制度」から最大46万6000ドルの補助金がDRホートンに支払われる。
同制度は、完全電化スマート住宅を新築する住宅建設会社らに対し、戸建て住宅1軒につき最大5000ドルを支給するもの。また、新規の集合住宅に対しては、1戸につき最大1750ドルを支給する「スマート住宅制度」がある。それらの支給対象となるには、住宅内の家電や機器類のすべてを電化し、天然ガスの配管を設置しないことが条件となる。
SMUDはまた、既存の住宅を完全電化に改修する場合にも最大1万3750ドルの補助金を支給している。
「この種の住宅はこれまでに例がないため、消費者がどのような反応を示すかに関心を寄せている」と、SMUDのレイ・ナランガン上席建築家は話す。
天然ガスは、再生可能エネルギー由来の電力に比べると炭素排出量がはるかに多い。SMUDは、再生可能電力が安価かつ全米一普及したカリフォルニア州で完全電化住宅を増やせば、天然ガスを燃料源とする住宅由来の炭素排出量を激減できると考えている。
SMUDは、温室効果ガス排出量を2050年までに1990年比で90%削減するという目標を掲げている。その目標を達成するために完全電化が重要な役割りを果たすと考えている。現時点でSMUDの発電燃料のうち50%以上は炭素排出ゼロの燃料源だ。