Wednesday, November 28, 2018 9:36 AM

悪天候による配達遅延の回避策に人工知能

 配送&物流サービス大手UPS(ジョージア州アトランタ拠点)は、大量の配達物を天気にかかわらず世界中で時間どおりに配送するために必要な膨大な量のデータを処理する先進解析および機械学習技術を活用する新たな手法を開発した。

 デトロイトといった主要集荷センターを吹雪が襲った場合、航空便の欠航や配送トラックの運休といった理由によって輸送や配達が大きく遅れる。

 理論デジタル技術専門誌スーパーポジションによると、UPSはそこで、ネットワーク・プランニング・ツールス(Network Planning Tools=NPT)というアプリケーションを活用することで、同社の全施設がある地域や、そこに向かう拠点地域の気象データを追跡し、そのほか各種のデータを加味して、吹雪を回避できる配送経路を機械学習技術によって割り出し、最終目的地に効率的に配送できるようにしている。

 各種のデータには、配達物の重さや量、配達期日が含まれる。気象情報とそれらのデータを統合し、機械学習アルゴリズムがそれらを解析して、吹雪の影響をもっとも受けない経路をはじき出すために、UPSの技術工学者らは現在、NPTの効率的かつ効果的な活用法を模索しているところだ。

 UPSは、歳末商戦期間中(11月第4金曜日からクリスマス直前までの約4週間)に8億個の荷物を配達すると予想する。NPTは、荷物の処理効率が落ちている集荷センターや配送施設を特定でき、その解消策を数分以内に提示できる。以前なら数週間かかっていた仕事だ。

 UPSは、NPTによって年間1億〜2億ドルの経費を削減できると期待している。

https://sci-techmaven.io/superposition/tech/ups-uses-ai-when-the-weather-outside-is-frightful-Eq8s6QjRP0WC-5e_kNlT0g/