Wednesday, June 19, 2019 10:05 AM
アップル、JDI救済を検討も慎重姿勢
経営破綻の危機に直面しているジャパンディスプレイ(JDI)に救世主が現れる可能性が浮上したが、その見通しも楽観視できない状況だ。
JDIの救済案については、中国と台湾の企業連合がその有力候補だ。ただ、JDIに2億3000万ドルを投資する案を検討していた台湾のTPKホールディングが投資案から撤退したほか、TPKを含む中台企業連合もJDIへの投資案をまだ決めていない。
9トゥ5マック誌によると、アップル(Apple)にスマートフォン向けディスプレイを供給するJDIの救済をアップルが検討していると報じられたが、TPKがJDI救済案から撤退したことや、中台企業連合が救済決定を再三にわたって延期したこと、さらには、JDIのかかえる債務に関する問題もあり、アップルがJDIを救済しないという選択をする可能性もある。
アップルは、JDIの売り上げの半分近くを占める大口顧客だ。JDIがアップル製品向け液晶パネル工場を建設した際にも、アップルがその資金を融通した。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アップルはJDIの経営難を考慮して、その返済条件を緩和したが、JDI救済を検討中の中台企業連合は、JDIに対する債権の一部を放棄するようアップルに打診しているため、中台企業連合もアップルもJDI救済に慎重な姿勢だ。
JDIは、スマートフォン向けの液晶パネルを主力製品とするが、市場は3年ほど前からOLEDに移行している。ほとんどのスマートフォン高位機種はすでにOLEDを搭載している。
JDIは、市場が液晶からOLEDに移行する動向を認識できずに競争から完全に取り残された。その結果、JDIは2017年に2億6000万ドルの赤字を計上し、2018年にはその赤字が23億ドルという巨額にふくらんだ。
【https://9to5mac.com/2019/06/18/apple-supplier-japan-display/】