Monday, July 08, 2019 10:15 AM

音だけで部屋の形状を把握するロボット

 シドニー工科大学の研究者らは、視覚機能(機械視認機能)を持たないロボットが音だけを使って部屋の形状を理解できることを実証した。

 ベンチャービート誌によると、この研究では、マイクとスピーカーを搭載したロボットを使い、みずから発した音が壁に反射して返ってくるまでの時間にもとづいて距離を算出する。研究班は、長方形の部屋のなかの無作為の位置を基点として、部屋の形状が確実にわかると予想される経路でロボットを自律走行させた。

 「部屋の形状、すなわち壁の場所や部屋の大きさは、多くの用途で重要な役割りを果たす。たとえば、室内での音源検出の際には、部屋の物理的な特徴がわかれば精度が高まる」と、研究論文の共著者は説明している。

 実験に際しては、共鳴といった周辺的な反射音を排除するために4つのマイクや反射点が活用された。反射点とは、室内の標的点からマイクまでをつなぐ線と、想定される壁の線が交差する場所だ。研究班は、反射点と実際の音源の場所が、想定される壁の線の別の側に特定された場合、標的点が雑音であると判断してそのデータを除外した。

 ロボットは、一定の経路で室内を走行するごとに、少なくとも3回停止し、新しい壁の位置を計算して標的点を報告した。3回目の停止までには、壁の位置を確認できた。その時点で壁の位置にずれが生じた場合には、無作為に次の場所に移動して、壁の位置の検出過程を最初からやり直した。

 その結果、同システムは、部屋の形状と寸法、壁の位置を、1cm未満の精度で検知できた。100回未満の測定と計算によって部屋の形状を把握できた確率は約95%だ。

https://venturebeat.com/2019/07/03/robot-maps-a-room-using-just-sound-and-ai/