Tuesday, September 17, 2019 10:11 AM
デルファイ、データ活用技術でCO2排出を削減
駆動システム大手デルファイ・テクノロジーズ(Delphi Technologies)は、車両電動化とコネクテッドカーのシステムを組み合わせて、燃費、低排ガス性、航続距離の向上を目指している。
グリーンカー・コングレスによると、同社は「インテリジェント・ドライビング」と呼ぶデータ活用の取り組みを進めており、マイルド・ハイブリッド車(HV)を使った現実環境のテストで、通常の運転モードに比べ二酸化炭素(CO2)排出量を10%以上削減することに成功した。
「インテリジェント・ドライビング」システムは、速度、位置、地形、交通信号機のパターン、渋滞などに関する情報を収集。クラウドを経由してそれらの情報を車の速度、エネルギーバランス、パフォーマンスを調整する推進制御システムへ送り、車がよりスマートで省エネな判断を下すよう支援する。同システムをHVに使うことで、運転支援技術の進歩に伴い、内燃エンジン、エンジン/電動モーター、完全電動を含むあらゆる推進システムの効率を高める可能性がある。
デルファイの電子機器・電動化部門のハリー・ハステッド副社長(エンジニアリング担当)は「当社の『インテリジェント・ドライビング』システムは、基本的にオンとオフで切り替わる今のクルーズコントロールのような形で機能する。この手法によって、現行の技術も含めたさまざまなレベルの運転支援や自動化に使用できる」と話す。
同社はこの技術をさらに高めるため、2019年初めからオランダのデジタル地図サービス大手トムトム(TomTom)と提携し、ナビゲーションや地図作成機能の試験でトムトムのデータを活用している。これは、渋滞や工事中の地域を回避するといった形で最も効率の高い進路の選択に役立つ。
収集データが増え、アクティブセーフティ(予防安全)やコネクテッドカー・システムが洗練されていけば、「インテリジェント・ドライビング」もさらに進化する。都市部の運転では、路車間通信(V2I)や車車間通信(V2V)を通じて収集したデータから、信号のタイミング、救急車の接近、交通パターンや道路インフラの変化などをシステムに伝えられるようになる。
デルファイは、21〜22年の本格生産を視野に複数の自動車メーカーと「インテリジェント・ドライビング」の共同開発の可能性を協議している。
https://www.greencarcongress.com/2019/09/20190911-intelligentdriving.html