Wednesday, October 16, 2019 10:07 AM
テラ・ドローン、目視範囲外ドローンを開発
産業向けドローン開発の世界最大手テラ・ドローン・コーポレーション(Terra Drone Corporation)は、送電網システムの保守点検に特化した目視範囲外(Beyond Visual Line of Sight=BVLOS)無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle=UAV)を開発した。
テラ・ドローンが開発したのは、BVLOS対応型UAVと人工知能を組み合わせたソリューションで、全長9万kmを超える世界の送電網の欠損や故障を検出するために設計されている。目視可能範囲内だけで飛ばすUAVは、操縦者が肉眼で見ながら制御するが、BVLOSの場合、障害物を避けながら安全に飛ぶ高度の自律飛行技術が必要となる。
ユティリティー・マガジンによると、テラ・ドローンのUAVは、送電機器や建造物、工事用重機の配線を上空から観察し、さびや部品欠損、鳥の巣や植物の繁殖具合を撮影する。それらの空撮データは、同社が開発した人工知能アルゴリズムによって自動処理および解析され、同社のシステムがそれをもとに報告書を自動作成するとともに、整備や修理に関する助言を提示する。
同社のアルゴリズムは、1500点の画像をもとに学習を重ねた。現時点での問題検出精度は92.5%に達している。同社は今後、特定の構造物に関する学習をさせることで、異なる地域の類似した送電網基幹システムに応用できるようにする。
顧客会社は、空撮データをクラウド電算システムあるいは現場設置型ストレージ・システムに保存するためのセキュリティー・プロトコールを同定して実装できる。
エネルギー会社ら(電力会社、送電網サービス会社、送電システム管理会社)は、送電網システムを定期的に点検しなければならない。これまでは、ヘリコプターを使って低空から点検するか、多くの作業員らを現場に派遣して調べていた。しかし、そのコストや安全性、作業員の健康面について課題があることから、エネルギー会社らは効率的かつ安全、そして低コストの点検方法を長年にわたって模索してきた。テラ・ドローンのBVLOSドローンはそのための決定的ソリューションとなる可能性がある。
【https://utilitymagazine.com.au/terra-drone-launches-uav-ai-based-solution-for-power-asset-inspection/】