Wednesday, October 23, 2019 10:14 AM

ウェイケア、道路関連データ分析で交通量を予想

 都市の交通管理に役立つビッグ・データ分析を手がけるイスラエルの新興企業ウェイケア(Waycare)は、シリーズAの資金調達で725万ドルを調達した。

 ベンチャービート誌によると、2016年に設立され、ロサンゼルスにも拠点を持つ同社は、これまでにネバダ州やフロリダ州、オハイオ州でサービスを展開してきた。同社は今回調達した資金を、世界各地への市場拡大のために投じる計画だ。

 今回の資金調達は、SJFベンチャーズ(SJF Ventures)が主導し、ネクスト・ギア・ベンチャーズ(Next Gear Ventures)やスパイダー・キャピタル(Spider Capital)、イノジー(Innogy)、ゴールドベル(Goldbell)が参加した。

 ウェイケアの技術は、接続車(connected car=CV)や車両管理プラットフォームからのデータ、公共交通機関や建設工事の状況、さらには気象情報を含むリアルタイム・データと統計データを組み合わせて交通量を比較的正確に予想する。都市計画や都市機能管理を担当する行政機関がおもな利用者だ。

 「過去10年のあいだに、車をはじめさまざまの交通手段から得られるデータの量が増えただけでなく、データを解釈し学習する人工知能技術にも大きな前進があった」「ウェイケアは、人工知能を応用することで既存の社会基盤を有効活用する好例だ」と、SJFベンチャーズのパートナーであるダン・ゲバル氏は話した。

 ウェイケアは、同じくイスラエル拠点のウェイズ(Waze)とデータ共有契約を2018年に結んだ。グーグル傘下のウェイズは、スマートフォン向けデジタル地図およびリアルタイム道路交通状況クラウドソース(crowdsource)型アプリケーションを提供している。ウェイズがクラウドソーシング(膨大な数の利用者たちを資源とする手法および形態)によって集める道路データをウェイケアに提供し、一方でウェイケアが集める路上の危険物や障害物といったデータをウェイズに提供する契約だ。

 ウェイケアはまた、チケットマスター(Ticketmaster)とも提携しており、大型催事の予想集客数のようなデータを受け取っている。

 「移動の手段や方法が急変するなか、世界各地の行政機関の交通管理当局は、道路安全の改善と交通渋滞の緩和という重責を負っている」「当社は、行政機関を支援しながら、道路交通輸送業界の会社らと提携することで、その接点に立っている」と、ウェイケアのノーム・マイタルCEOは述べた。

https://venturebeat.com/2019/10/03/waycare-raises-7-25-million-to-improve-city-traffic-using-ai-and-big-data/