Friday, November 15, 2019 9:05 AM
セールスフォースがアジュールに移行
セールスフォース(Salesforce)は14日、法人向け販促製品「マーケティング・クラウド(Marketing Cloud)」をマイクロソフト(Microsoft)のパブリック・クラウド電算プラットフォーム「アジュール(Azure)」に移管し、マイクロソフトとの競合関係から協業関係に姿勢を転換した。
CNBCによると、セールスフォースの同決定には、アジュールを使う会社が増えているという市場動向と、自社の法人向けクラウド電算プラットフォームが劣勢から抜け出せないという市場競争の構図がある。
アジュールは、パブリック・クラウド・サービス最大手のアマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)の後塵を拝しているものの、昨今、急激に追い上げている。先日には、AWSとの競合を制して最高100億ドルという超巨大契約をペンタゴン(国防総省)から獲得し、7月には、AT&Tにアジュールを提供することで合意した。
セールスフォースとマイクロソフトの関係は複雑だ。両社はこれまで、セールスフォースの中核製品であるCRM(customer relationship management)のセールス・クラウドを含む複数の法人向けサース(SaaS=software-as-a-service)事業をめぐって幹部らが対立してきた。2014年には両社の関係がいったん良好化したものの、2015年にはマイクロソフトがセールスフォースを買収する交渉で決裂し、2016年には、両社がリンクトイン(LinkedIn)を傘下に収めようとする買収合戦を繰り広げてマイクロソフトに軍配が上がった。
今回、セールスフォースがマーケティング・クラウドをAWSからアジュールに移すことを決めたことで、両社の関係は一気に正常化されるとみられる。それと同時に、アジュールの勢力拡大にさらなる弾みがつく可能性もある。
【https://www.cnbc.com/2019/11/14/salesforce-will-adopt-microsofts-cloud-as-companies-cozy-up-again.html】