Tuesday, November 19, 2019 9:10 AM

パナ、リチウムイオン電池の残存価値評価する技術開発

 パナソニックは、使用中のリチウムイオン電池の劣化状態を推定し、残存価値を評価する技術を立命館大学と共同開発したと発表した。半導体チップで電池の状態を推定し、寿命の予測につなげる。

 プレスリリースによると、パナソニックは同大理工学部・福井研究室(福井正博教授)と共同で、機器搭載中のリチウムイオン電池の残存価値評価に有効な交流インピーダンス(交流電圧を交流電流で割った交流抵抗値)が測定できる新しいバッテリー管理技術を開発した。多数の電池を直列に重ねたリチウムイオン電池モジュールを使うさまざまな機器や電気自動車(EV)への応用が期待される。

 開発では、パナソニックがバッテリー管理のためのチップ(BMIC)と測定アルゴリズムおよびソフトウェアの開発を担当し、立命館大学は電池を使った性能評価などを担当した。電池の稼働中に半導体チップで電流と電圧を同時に測定し、多数のセルを直列に重ねた状態のままでモジュールの劣化具合などを推定できるという。

 この新しい技術は、リチウムイオン電池モジュールを、1)機器に搭載した状態で電流と電圧を同時に測定し、交流インピーダンスが割り出せる、2)機器から外して専用測定機で計った場合と同等の精度で交流インピーダンスが測定できる、3)稼働している機器の温度変化に対応した補正技術で測定データを蓄積・分析する…のが特徴。

 劣化診断や故障推定などバッテリーの残存価値評価を目指すことで、リチウムイオン電池が再使用・再利用される持続可能な社会の実現に貢献できると、パナソニックは考えている。

https://news.panasonic.com/jp/press/data/2019/11/jn191114-1/jn191114-1.html