Tuesday, September 27, 2016 10:05 AM

16年の広告支出、4.4%増へ〜ゼニスが上方修正、米好調で

 仏広告大手ピュブリシス傘下の調査会社ゼニス(Zenith)は、2016年の世界広告支出の予想を従来の4.1%増から4.4%増に引き上げた。17年と18年の予想に関しても、それぞれ4.3%増から4.5%増、4.4%増から4.6%増へと引き上げた。

 ロイター通信によると、上方修正の主な理由は、米国での支出が予想以上に伸びているため。米国では雇用市場の好調で消費支出の伸びが促進され、広告主は拡大する市場のシェア争いを強化しており、15年には5%減少していた米ネットワークTVへの広告支出も、製薬や消費財分野の支出が堅調なため、今年はプラスに回復すると予想している。

 アジア太平洋地域および西欧の予想も少し引き上げた。英国は、EU離脱(ブレグジット)の決定を受けて16年の支出予想を5.6%増から5.4%増に下方修正したが、今のところ広告主はこの決定を冷静に受け止めており「ブレグジットが英国の広告市場に与える影響は、ほとんどが長期的」と見ている。英国では、政府が外国との貿易協定を再交渉する間は広告支出が鈍化すると見て、17年は3.4%増と予想している。