Thursday, April 01, 2021 10:37 AM

オラクル、クラウド移行サービスを無料提供

 オラクル(Oracle)は3月31日、各社の複雑なコンピュータ・プログラム群を同社のクラウドに移管するサービスを無料提供する計画を発表した。時間と手間暇を節約できるサービスを提供することで各社のクラウド化需要を取り込み、顧客を一気に増やす作戦だ。

 ベンチャービート誌によると、新型コロナウイルス・パンデミックは、多くの会社や省庁機関が自社内のデジタル・ストレージおよび電算システムからクラウド・サーバーに移行する需要を加速させた。その結果、アマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)やマイクロソフト・アジュール(Microsoft Azure)、グーグル・クラウド(Google Cloud)といったクラウド大手らの記録的好業績に貢献した。

 オラクルもクラウド・サービスを展開しているが、それら3大クラウドの陰になっており、存在感がない状況に甘んじている。

 オラクルは、クラウドへの移行先をまだ決めていない組織(会社、政府機関、各種の団体)や、クラウド移行を本格化させようとする組織を標的に市場開拓をねらうことで顧客を増やしたい考えだ。

 クラウド・リフト・サービシズ(Cloud Lift Services)という同サービスは、半年前から米国内で始まっており、現在、100以上の組織を獲得している。今回の発表は、同サービスを世界に拡大する方針を明らかにしたもの。

 オラクルは、過去9ヵ月間に1000人の従業員をクラウド・リフト・サービシズに配置し、顧客急増に対応する体制を整備した、と同社のヴィネイ・クマール上席副社長は話した。

 各社のクラウド移行サービスを無料提供するコストは明らかにされていない。クマール氏は、近い将来に元を取れると断言したが、同サービスの予算や初期投資を回収できる時期については言及しなかった。

https://venturebeat.com/2021/03/31/oracle-offers-free-cloud-migration-to-lure-new-customers/