Tuesday, April 06, 2021 10:19 AM

帝人とアプライドEV、低速EVの試作車を共同開発

 帝人は、電気自動車(EV)プラットフォームなどを開発しているオーストラリアのアプライドEV(Applied EV)と、エネルギー効率の高い低速電気自動車(LS-EV)のプロトタイプを共同開発した。ゼロエミッション・モビリティー実現への貢献が期待される自動走行システムや、ほかの移動手段に使用できる。

 グリーンカー・コングレスによると、この低速EVは4人乗りで、帝人独自の技術、強靭で軽量な材料、加工や成形技術と、アプライドEVの技術を組み合わせ「Well to Wheel」(燃料採掘から車両走行まで)の一貫したゼロエミッションを具現化した。

 高効率のドライブラインと完全なドライブ・バイ・ワイヤー技術を統合したアプライドEVのロボット車両プラットフォーム「ブランクロボット」をベースに、帝人の素材と技術的ノウハウを組み込んだこの車は、人間が歩く時とほぼ同じ量のエネルギーしか消費せず、自動運転車(AV)としては前例のないエネルギー効率を達成している。

 窓やドアといった車の主要部分には、軽量で耐衝撃性に優れた帝人のポリカーボネート樹脂「パンライト」を使ったグレージングを用いてスタイリッシュなボディを実現した。パンライトには優れた赤外線遮断効果があり、車室内の温度調整に役立つ。湾曲した屋根にはパンライト・グレージングと一体成形されたソーラーパネルと軽量電源モジュールが取り付けられ、従来のソーラーパネルと同等の出力約330ワット(W)を達成している。

 また、帝人フロンティアの縦型ポリエステル不織布は、車外の温度やロードノイズからの遮断効果を提供する。

 帝人とアプライドEVは、2019年に共同開発を開始し、将来の社会で実用的な多目的ゼロエミッション車を支えるための技術基盤確立に取り組んでいる。

https://www.greencarcongress.com/2021/03/20210330-teijin.html