Tuesday, April 13, 2021 11:02 AM
新興企業のNLPクラウド、自然言語処理の導入を容易に
新興企業のNLPクラウド(NLP Cloud)は、自然言語処理(natural language processing=NLP)の機能をアプリケーションに簡単に統合できるようにする新たなツールを開発した。
ベンチャービート誌によると、自然言語処理は何十年も前から存在するが、トランスフォーマーが近年に導入されたことを受けて、関心が急激に高まった。トランスフォーマーとは新型の神経回路網(neural network)を指す。
グーグルの研究者らは2017年に、トランスフォーマーがNLPの速度と精度、性能を大幅に高めることを実証した。トランスフォーマーによってグーグルのバート(BERT=Bidirectional Encoder Representations from Transformers)やオープンAIのGPT-3(Generative Pre-trained Transformer 3)といった大型モデルが実現し、その種の能力がハギング・フェイス(Hugging Face)やスペイシー(spaCy)といったオープン・ソースのライブラリーで提供されるようになった。
ただ、モデルを開発することとモデルをアプリケーションに導入することは、二つの異なるプロセスだ。NLPクラウドは、後者の作業をはるかに容易にするために、API(application programming interface)でNLP能力を提供している。アプリケーション開発者らはそれを活用することで、モデルそのものをあつかうのではなく、APIを使ってアプリケーションに統合できる。
「自然言語処理のプロジェクトで残された大きな課題は、明らかに制作側の課題だ」と、NLPクラウドの設立者兼最高技術責任者ジュリエン・サリナス氏は話している。
NLP機能の用途には、ウェブ・ページをスキャンして潜在的な顧客となりそうな事業体の名称を抽出することや、技術支援の要請文を読み取って書き手の感情を分析する、といったことが考えられる。
この種の能力をアプリケーションに導入するには、デヴオップス(DevOps)やプログラミング、人工知能の技能が求められるが、それら三つを習得した開発者は多くない。特に、小規模の会社ではそういった技能群を持つ人材を社内にそろえていることは皆無だ。
NLPクラウドは、3ヵ月前にAPIを導入した。その利用者数はすでに500人前後に達する。うち30人は有料の利用者だ。
同社は今後、チャットボット向けの会話モデルや、要約を目的とした新しいモデルを追加する計画だ。最終的には、英語以外のモデルもサポートする予定だが、英語以外のモデルはまだ発展途上とサリナス氏はみている。
https://venturebeat.com/2021/04/12/nlpcloud-io-helps-app-developers-add-language-processing/