Monday, May 24, 2021 10:40 AM
中国の資金運用担当者ら、人工知能の活用を積極化
中国の投資資金運用担当者(ファンド・マネジャー)らは、上場会社の増加や蓄積データ量の激増を受けて、業務効率と投資利得を向上させるために機械学習やそのほかの人工知能技術の活用を積極化させている。
ベンチャービート誌によると、中国の信託投資市場は3.4兆ドルという巨大規模に成長し、外国からの投資流入が非常に強まったことから、地元の資金運用担当者らは、外国勢に対抗するためにデータやニュース、プレス・リリース、調査報告書といった膨大な量の資料や情報をコンピュータで分析し、効率と運用成績の向上を図っている。
人工知能は、中国の電子商取引業界や製造業界でだいぶ前から活用されているが、資産運用への応用は近年のことだ。中国では現在、経済のデジタル化を重視し、先進技術を経済のあらゆる側面で応用することで、西側先進国に対抗しようとしている。
ジェシェン・ファンド・マネジメント(Zheshang Fund Management)は、市場動向を予想して株式銘柄を選ぶロボット(人工知能基盤予想分析ソフトウェア)を初めて使った投資基金を約1年半前に立ち上げており、非常に良い運用成績を記録している。
その前には、中国アセット・マネジメント(China Asset Management)がトロント拠点の人工知能技術会社ブースティッド・ドット・エイアイ(Boosted.ai)と提携している。
欧米の投資業界では、データ分析や銘柄選定、市場動向予想に人工知能をだいぶ前から使っている。また、経済指標や各社の業績、マクロ経済政策、投資家の景況感に関する分析に人工知能を応用する動きは過去2年間に特に強まっている。
ジェシェン・ファンド・マネジメントの人工知能基盤投資基金「ジェシェン・インテリジェント・インダストリー・プリファード・ハイブリッド・ファンド(Zheshang Intelligent Industry Preferred Hybrid Fund)」は、2019年9月に立ち上げられ、2021年第1四半期には、運用開始以来68.34%という驚異的成長を報告した。同じ期間における株式と債券の指標が21.64%上昇であることから、ジェシェンの人工知能がいかに正しい投資判断を可能にしているかがうかがえる。
https://venturebeat.com/2021/05/22/china-fund-managers-rely-on-ai-to-manage-trading-data-and-pick-stocks/