Friday, May 28, 2021 11:14 AM

自動車産業、新技術への投資なければ雇用崩壊

 ドイツ最大の労組IGメタルのイェルク・ホフマン代表は、自動車産業はEV用の電池をはじめとする新技術に投資しない限り、「雇用の崩壊」に直面すると警告した。ロイターが報じた。

 同国のIFO経済研究所の調査によると、企業が従業員の再教育を加速しない限り、EVシフトによって、2025年までに内燃機関生産に携わる約10万人の雇用が失われる。

 ホフマン氏によると、バッテリー駆動車は内燃機関車に比べて組み立て作業が少ないため、EV普及で技能のミスマッチが生じ、失業につながる。自動車と自動車部品のメーカーは従業員の再教育が必要になる。ドイツの自動車産業では、内燃機関技術に直接携わるのは、26万人に達する。

 ドイツ政府は2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を65%削減する目標を掲げており、自動車業界の排出量規制も厳しくなる。政府の新たな目標下で、ホフマン氏は、2029年までにドイツの公道で走るEVが1400万-1600万台まで増えると予想した。従来は700万-1000万台と推計されていた。