Tuesday, June 08, 2021 12:06 PM

マイクロソフト、建物のデジタル・ツイン開発に注力

 マイクロソフト(Microsoft)は、スマート建物のデジタル・ツインを作成するためのオントロジー開発に注力している。

 デジタル・ツイン(digital twin)とは、物理的事象をデジタル環境で模擬的に再現することを意味する概念。オントロジー(ontology)とは、元来は存在論やその学問を意味する哲学用語だが、技術界では、対象世界に関する知識やデータの仮想共有の概念やその手法、デジタル環境で共有化されたデータ・モデルを意味し、関連するアプリケーションを接続する過程を簡素化する。

 ベンチャービート誌によると、マイクロソフトは、2020年にリリースしたモノのインターネット(Internet of Things=IoT)プラットフォーム「アジュール・デジタル・ツインズ(Azure Digital Twins)」と連動させるためのオントロジーを開発中だ。同社は、スマート建物のデジタル・ツインを開発する過程をそれによって大幅に簡便化かつ効率化する計画だ。

 同社はそれにともなって、スウェーデンの不動産業界団体リアルエステートコア(RealEstateCore)と協力している。同団体には、不動産物件所有会社のほか技術会社や研究機関らが加盟している。

 アジュール・デジタル・ツインズで機能するオントロジー「スマート・ビルディング・リアルエステートコア(Smart Building RealEstateCore)」を開発することで、建物所有会社や建設会社、関連供給業者らが仮想環境で連携して建物に関する情報を伝達および共有できるようにすることが両社のねらいだ。

 関係業者らはその結果、IoTのデータや人工知能モデルをデジタル・ツインに統合しやすくなる。建物をデジタル・ツインで管理できれば、環境配慮をはじめさまざまの過程や建物機能の効率化や高性能化を合理化かつ効率化できる。

 建設および不動産開発業界は、デジタル変革という側面においては先進的な業界ではかならずしもない。マイクロソフトは、標準化と技術統合を進めることで同業界でのデジタル化を加速できると考えている。

 ガイドハウス・インサイツ(Guidehouse Insights)では、世界の建物の総床面積が2020年の1660億平方メートルから2030年には1960億平方メートルに増加すると予想している。

https://venturebeat.com/2021/06/05/microsoft-paves-digital-twins-on-ramp-for-construction-real-estate/