Wednesday, July 14, 2021 10:38 AM
グーグル、損保向けソリューションをクラウド提供へ
グーグル(Google)は、中小の保険会社らが建物内人口密度をより正確に計測できるようにすることで、商業施設や職場での転倒や落下、そのほかの事故および負傷に関する保険商品を拡充できるようにするソリューションを提供する。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同事業は、グーグル・クラウドとシリコン・バレー新興企業ブルーズー(BlueZoo)による業務提携の一環だ。
アルファベット傘下のグーグルは現在、中小の損害保険会社らがデジタル技術の活用をさらに拡大することで、リスク評価の精度向上や被保険者らの金銭的負担抑制、そして保険金請求処理の効率化をクラウド技術によって支援する事業に注力している。
その背景には、法人向けパブリック・クラウド・サービス市場でアマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)とマイクロソフト・アジュール(Microsoft Azure)を追うグーグル・クラウドの販促戦略がある。
オフィス内人口密度の検出サービスを手がけるブルーズーとの提携では、小型検知器群を建物内に設置し、スマートフォンのワイファフィ信号を検出して、それらのデータを暗号化かつ圧縮してグーグル・クラウドのデータ解析サーバー群に転送する。おもに天井に取りつけられる検知器群の実装はブルーズーが担当する。
グーグル・クラウドのサーバー群はそれらのデータをもとに、建物内のあらゆる場所への訪問者たちの人数や訪問件数、滞在時間を90%の精度で追跡できる。
レストランやホテルといった訪問客の多いで建物の多くでは、利用者数の平均や最大収容人数を計測するために旧式の手法を使っている。そのため、たとえば宴会室やラウンジ、運動室といった共用空間の人口密度計測値の精度は低い、とブルーズーは指摘する。
商業建物向け損害保険会社らは通常、リスク工学者たちを現場に派遣して、リスク要因や事故または負傷発生の確からしさを評価し、非常に複雑な計算式によって保険商品を設計する。それを検知データとクラウド電算で劇的に効率化かつ高精度化することが両社のねらいだ。
https://www.wsj.com/articles/google-to-help-insurers-measure-slip-and-fall-risks-in-buildings-11626180301?mod=tech_lead_pos3