Friday, July 16, 2021 10:40 AM

世界技術支出、2021年に前年比8.6%増の4.2兆ドルに

 技術市場調査会社ガートナー(Gartner)は7月15日、世界IT支出が2021年に前年比8.6%増の4.2兆ドルに達するという予想を示した。技術支出は「新たな構築予算段階(new build budget phase)」に入った、と同社は分析している。新型コロナウイルス・パンデミックからの経済活動再開にともなって、売り上げが発生する前に技術環境の整備を推進する各社の姿勢があらわれている。

 ベンチャービート誌によると、ガートナーでは、技術支出動向について、結果に明確につながる技術分野への投資に各社が積極的になっている、という見方を示した。その代表格はコミュニケーション・サービスと情報技術サービスだ。

 2021年上半期におけるコミュニケーション・サービス世界支出額は1兆4449億8000万ドル、ITサービスは1兆1766億7600万ドルで、技術支出の2大分野となり、その傾向は2022年に入っても続く、とガートナーは予想する。

 コミュニケーション・サービスの技術は、顧客サポートやオンライン協業、遠隔労働といった事業運営に直接関係することから、多くの会社で優先投資分野と位置づけられている。また、ITサービスでは、事業にとって重要なワークロードをサポートし、高コストの現場実装型システムの利用を避けるためにアイアース(IaaS=infrastructure-as-a-service)の活用が増えたことで支出が伸びた。

 そのほかのおもな技術支出分野は、業務用デジタル機器類(7939億7300万ドル)、業務用ソフトウェア(5989億5700万ドル)、データ・センター・システム(1916億4800万ドル)だった。

 ガートナーによると、機器類への支出は2022年に0.8%増にとどまるが、ソフトウェアへの支出は11.7%増を記録すると予想される。2022年の技術全般の支出については5.3%増と同社は予想する。

 2020年の技術支出は、パンデミックによる経済活動低迷を受けて0.9%増にとどまった。

https://venturebeat.com/2021/07/14/global-it-spending-to-reach-4-2t-in-2021-gartner-says/