Tuesday, August 24, 2021 11:25 AM

インテル、チップ国産化に向け国防総省から契約を獲得

 インテル(Intel)は8月23日、国防総省の世界的チップ不足解消策および最先端チップの設計および国内生産の推進策の第一段階として、商業ファウンドリー・サービス群(他社が設計したチップを他社のブランド名で生産する)を提供することを明らかにした。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、インテルのファウンドリー・サービシズ事業部は、IBMやシノプシス(Synopsys)、ケイデンス・デザイン・システムズ(Cadence Design Systems)、そのほかのチップ技術会社らと一緒にRAMP-C政策に参加する。

 RAMP-C政策とは、「Rapid Assured Microelectronics Prototypes – Commercial」の頭文字をとった略称で、その名称のとおり、マイクロエレクトロニクスの試作品を迅速に商業化することを奨励するものだ。

 RAMP-C政策のねらいは、チップの開発と生産を含む国内生態系を構築することで、国防総省が最新のチップ技術を活用できるようにする環境の整備と、先進チップの長期的需要を国家安全保障の名のもとに確保することだ。

 米国のジョー・バイデン政権は、チップ不足の解消に取り組むために2022会計年度予算のなかに23億ドルのマイクロエレクトロニクス業界助成予算を議会に求めた。チップ不足が国家安全保障を脅かすという考えのもと、チップの設計から生産までその生態系を自国内で確立することで、安全保障にとって重要な要素の一つ(先進チップの国内生産)に長期的に取り組めるようするためだ。

 RAMP-Cに参加する技術会社らは同政策のもと、国防総省との契約を獲得する。インテルの場合、同契約を獲得したことで、ファウンドリー・サービシズを単独事業部門として運営できる資金を確保した。同社はそれを受けて、200億ドルを投じて二つのチップ工場をアリゾナ州に新設する計画をすでに打ち出している。

https://www.wsj.com/articles/intel-wins-defense-department-award-for-domestic-chip-making-11629726220?mod=tech_lead_pos1