Tuesday, October 26, 2021 11:58 AM

ランド・オー・レイクス、農業生産者らのデジタル化を推進

 乳製品と飼料を製造する大手協同組合ランド・オー・レイクス(Land O’Lakes)は、業務デジタル化を推進することで農業現場の意思決定を支えている。

 ベンチャービート誌によると、同組合のテディー・ビークリー最高技術責任者は先日、調査会社のガートナーが主催した技術業界会議に出席し、同組合が進めている業務デジタル化の現状とこれまでの成果を発表した。

 同氏はそのなかで、農業生産者らが迫られるさまざまの意思決定について説明し、「農業生産者らの生活は非常に複雑だ」と語った。農機具メーカーから化学品メーカー、食品流通会社、銀行、保険会社、従業員、それに行政機関の監督当局までさまざまの業界の会社や取り引き先、当局と頻繁に関与する事業環境で農業を営む必要がある、と同氏は話した。

 同氏によると、農業において事業の成功を決めるのは、約40種類の「重大な意思決定」だ。いつ何を植えるか、いつどのように肥料をやり、収穫し、どのように販売するかをはじめとするさまざまの意思決定のすべてにおいて技術とデータが役に立つ、と同氏は話した。

 ただ、最近では、農業支援を目的とした技術やデジタル・ソリューションが多数登場したことで「市場が散らかった状態」になっている、と同氏はみている。「生産者からよく言われるのは、ソフトウェアを10個も20個も購入して自分で組み合わせる方法を学ぶような時間と資金はない、という意見だ」と同氏は指摘した。

 ランド・オー・レイクスはそこで、マイクロソフトと提携し、ほかの技術ソリューション提供会社らとも協力して、クラウド電算プラットフォーム上におもなソリューション群を構築することにした。

 それによって実現したおもなソリューションには、衛星画像を理解して水と肥料のやり方を決めるのに重要な情報を提供する技術や、牛の群れの写真を処理して個体の体重を認識し、それにもとづいてエサをやる技術がある。

 ビークリー氏によると、この種の技術はすでに存在し、生産者たちのあいだにも導入したいという意欲がある。ただ、一つ課題となっているのが広帯域接続だ。多くの生産者の現場では、質の高い安定した広帯域基幹設備が行き渡っていないところも珍しくない。同組合ではそのため、接続サービス提供会社と協力して高速携帯電話通信網を使えるよう通信塔を増やすべく努力している。

https://venturebeat.com/2021/10/19/land-olakes-details-how-agriculture-is-transforming-digitally/