Tuesday, December 14, 2021 10:55 AM
屋内位置情報サービスの業務利用が拡散
屋内位置情報サービスの活用がさまざまの業界に広まりつつある。
屋内向けの位置追跡技術を開発および提供するキューパ(Quuppa)の共同設立者で事業開発責任者を務めるファビオ・ベローニ氏は、フォーブス誌に投稿した最近の記事のなかでその有望性について論じた。
それによると、リアルタイム位置情報システム(real-time location system=RTLS)と呼ばれる技術の業務活用は、特にモノのインターネット(Internet of Things=IoT)検知器やさまざまの自動化技術を設置したスマート建物において、建物内の状況を認識および評価するのに役立っている。
過去数年にわたりRTLSの活用法が模索されてきたが、新型コロナウイルス・パンデミックの発生を受けて、屋内位置追跡の価値が注目されるになった、と同氏は説明した。
RTLSには、事業資産の所在地の把握から従業員の安全確認までさまざまの用途があり、その活用法は業界によっても異なる。医療現場では、手洗い状況を監視する装置を設置した結果として病院内の手洗い遂行率が高まった事例が、学術誌「感染予防ジャーナル(Journal of Infection Prevention)」で報告された。
病院内では、位置情報の追跡装置を患者に携帯してもらうことで、入院患者らが院内で転倒して助けが必要になった際に、スタッフがすぐに駆けつけることができる。また、病床や病室に監視装置を組み込んでおけば、安静にしていなければならない患者が病室を勝手に出た場合にも検出できる。
民間では、事務所や作業場で従業員が適切な距離を保っていることを確認する用途が注目されている。たとえば、会議室に検知システムを設置して、定員に達するとそれを自動で知らせることが可能だ。また、ウイルス検査陽性の社員が出た場合にほかの社員との接触状況を追跡することもできる。
人の安全確保だけでなく、業務効率化を目的としてRTLSを使うこともできる。小売店舗内の消費者たちの動きを把握することで、来店客たちがたどる経路の理解を深め、商品を効果的に陳列するといった販促強化の用途も考えられる。
工場や倉庫、スポーツ施設、空港、小売店で従業員と顧客の体験を改善するための手段として、RTLSのさまざまの使い方が考えられる、とベローニ氏は論じている。
https://www.forbes.com/sites/forbestechcouncil/2021/12/13/how-location-based-services-can-help-make-buildings—and-your-business—smarter/? sh=7c23b707f66d