Wednesday, February 09, 2022 7:11 AM

企業の気候変動対策、内容が弱すぎると欧州調査機関

 気候変動対策を掲げる世界的な大企業の中には、実際の温室効果ガス排出量への影響が限定的な目標しか掲げていない企業があることが、欧州調査機関の報告書で明らかになった。

 ロイター通信によると、ドイツの気候研究機関ニュークライメート・インスティテュート(NCI)とベルギーに本部を置く民間団体カーボン・マーケット・ウォッチが、世界の大企業25社を対象に共同調査を行ったところ、自社のバリューチェーン全体から排出される二酸化炭素(CO2)の90%以上を減らす計画を持つ企業は3社しかなかった。また、12社は具体的なCO2排出削減目標を掲げていなかった。

 25社全体では、さまざまな目標年次までに削減すると表明したCO2排出削減量は、2019年時点の各社の排出量(計2.7ギガトン)の5分の1にも満たないという。

 報告書の作成を主導したNCIのトーマス・デイ氏は「再現可能な優れた取り組みをできるだけ多く見出そうとしたが、正直に言って各社の回答には驚き、失望した」「企業に気候変動対策を促す圧力が高まっているのに、野心的とうたわれる各社の表明内容にはあまりにも実質が伴っておらず、消費者と規制当局を迷わすことになりかない」と批判した。