Tuesday, May 24, 2022 7:10 AM

電池資源再生業者ライサイクル、アリゾナの新施設が稼働

 リチウムイオン電池の資源回収会社ライサイクル(Li-Cycle、カナダ拠点)は、アリゾナ州ギルバートに開設した14万平方フィートの新しいリサイクル施設「アリゾナ・スポーク」の商業運転を開始した。

 同社のプレスリリースによると、この施設は年間約2万台分の電気自動車(EV)用電池を処理でき、「ブラックマス」と呼ばれる電池の破砕くずなどを生産する。ブラックマスにはリチウム、コバルト、ニッケルなどリチウムイオン電池の材料となる金属が含まれ、ライサイクルは現在ニューヨーク州ロチェスターに建設している北米初のハブ施設でこれを電池の材料に変える予定だ。ハブ施設は2023年の操業開始を目指しており、年間3万5000トンに上るブラックマスを処理する。

 同社がアリゾナ・スポークの立地でギルバートを選んだ理由は、南西部にある同社の既存の使用済み電池および電池生産の端材供給網を活用でき、資源リサイクルにおける物流の最適化および効率化に役立つため。

 アリゾナ施設と同じ設計の「アラバマ・スポーク」も22年7〜9月期に稼働を開始する予定。両施設が稼働すれば、リチウムイオン電池の処理能力は合わせて年間3万トンになる。

 ライサイクルは、世界的に高まるEVの需要を支えるため、23年末までに北米と欧州のスポーク施設全体で年間6万5000トンの電池処理能力を確保したいと考えている。

 リチャード・ストーリー米州地域社長は「最新鋭の新施設は、顧客のリサイクルニーズへの対応力を高めると同時に、当社のリサイクル能力を大幅に向上させる。当社は、リチウムイオン電池生産用に加工、供給される重要な金属の新しい国内供給源を作っている」と話した。

https://li-cycle.com/press-releases/li-cycle-opens-lithium-ion-battery-recycling-facility-in-arizona/