Tuesday, May 31, 2022 7:56 AM
ウォルマート、ドローン使った配達を6州に拡大
小売大手ウォルマートは、アマゾンやフェデックスといった物流の競合に対抗するため、ドローン(無人飛行機)を使った迅速配達サービスを6州の400万世帯に拡大した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ウォルマートはすでに実施しているアーカンソーに加え、アリゾナ、フロリダ、テキサス、ユタ、バージニア各州でドローンによる商品配達を始めた。所要時間は最短で30分、1年に100万個以上の小包を配達できるという。1回の配達料金は3.99ドルで、一度に運べる重量は10ポンドまで。
同社は2021年11月、ドローン運行サービスのドローンアップ(DroneUp、バージニア州)と提携して本拠地アーカンソー州のウォルマート店舗を拠点にドローン配達を開始した。注文は店舗で受け付け、ドローンに積まれた荷物はケーブルを使って配達先の庭に降ろされる。ウォルマートは同年6月、ドローンアップに出資している。
インターネット通販大手アマゾンや、運送大手のフェデックス、UPSなども、費用対効果が高くより遠くの消費者に荷物を届けられる方法としてドローン配達サービスを拡大している。
ウォルマートのデイビッド・グギーナ上級副社長(イノベーションとオートメーション担当)によると、同社は当初、ドローンの活用方法は大部分が緊急的な物資になるだろうと想定した。ところが「顧客は普段の夕食用の食品など、あくまでも利便性のためにドローンを利用している」という。最近、ある店舗で最もドローン配達が多かった商品は、調理済みの「ハンバーガー・ヘルパー(肉入りパスタ料理)」だった。
ウォルマートは、今回拡大したドローン運行網の対象を地元企業や自治体にも広げる考えで、保険や緊急対応、不動産などの分野でもサービスを提供するという。非消費者サービスから得られる収入によって、一般家庭への商品配達にかかる費用が相殺できるほか、より多くの飛行データ収集にも役立つと同社は見込んでいる。