Thursday, June 09, 2022 11:18 AM

P&Gとマイクロソフト、製造現場のデジタル化を共同促進

 プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble=P&G)とマイクロソフト(Microsoft)は6月8日、マイクロソフトのクラウド・サービスを活用してP&Gの製造業務のデジタル化をさらに促進するための複数年提携を交わしたことを明らかにした。

 マイクロソフトの発表によると、両社は、P&Gのデジタル製造プラットフォームを加速かつ拡大し、産業用モノのインターネット(IIoT=Industrial Internet of Things)を活用して、消費者への製品の早期提供や顧客満足度向上、生産性向上によるコスト削減を実現するための技術革新に共同で取り組む。

 P&Gは、マイクロソフト・アジュール(Azure)を基盤にしたシステムを構築し、世界で初めて世界中100以上の製造拠点から集められるデータをデジタル化して統合し、機械学習技術や末端電算(edge computing)を活用して可視化する。

 P&Gの従業員らはそれによって、人工知能を活用して生産データを分析し、改善と飛躍的効果をもたらす意思決定を即座にくだせるようになる。世界中に散らばる100以上の拠点から大量のデータを集めて即時分析し、関係各所の従業員らがいつでもどこからでもアクセスできるようにするその規模は、消費財業界では非常にまれだ。

 P&Gは、過去4年にわたってデータや人工知能の分野でマイクロソフトと協業してきた。同社はその経験にもとづいてアジュールを基幹設備にすることを選んだ。

 P&Gは、アジュールIoTハブ(Azure IoT Hub)とIoTエッジ(IoT Edge)をすでに採用し、製造現場の工学者らがデータ分析の洞察を評価できるようにしている。現在、エジプトとインド、日本、米国にある乳幼児製品工場および紙製品工場でそれらの試験運用を進めている。

 P&Gは、紙おむつや紙タオルの製造に際して、材料を高速に何層も重ねる工程を精密化して、端切れを最小限に抑えるほか、設備機器の不具合を予想して保守管理コストを削減している。

 P&Gはまた、設備機器のエネルギー使用量を最適化する目的でも、マイクロソフトの機械学習とデータ・ストレージのプラットフォームを活用している。それによって大量のデータを総合的に分析し、効率化できる部分を特定可能にした。

 アジュールプ・ラットフォームを使うことで、現場の作業回数や作業停止時間といったさまざまのデータをこれまでの実績データと簡単に統合できるようになり、データ分析から抽出できる洞察の質や予想分析の精度を向上できる、とマイクロソフトは説明している。

https://news.microsoft.com/2022/06/08/pg-and-microsoft-co-innovate-to-build-the-future-of-digital-manufacturing/