Friday, July 01, 2022 11:50 AM

高級ブランドら、偽物対策でブロックチェーン活用を推進

 偽物は高級ブランドらにとって非常に大きな問題だ。高級ブランド会社らは2017年の1年間に総額980億ドル相当の販売機会を偽物によって喪失した。偽物の流通はブランドの評判も傷つけるため、数字以外の損害も大きい。

 CNNによると、高級ブランドらはそこで、商品とブランド価値、そして消費者を守るためにブロックチェーン技術の活用を進めている。

 LVMHやプラダ(Prada)、カルティエ(Cartier)らは競合関係にあるものの、オーラ・ブロックチェーン・コンソーシアム(Aura Blockchain Consortium)という非営利の業界団体を2021年4月に立ち上げた。同団体は、高級デザイナー商品のためのデジタル・ツインを構築するプラットフォームだ。デジタル・ツイン(digital twin)とは、物理的事象をデジタル環境で模擬的に再現することを意味する概念。

 オーラはその後も刷新を続け、クラウド基盤のソフトウェアを2022年初頭に始動させた。プラグイン設計になっていることから、ブランド会社らは、ブロックチェーン技術の専門地域がなくても、オーラのソフトウェアを自社システムに簡単に統合できる。

 ブロックチェーンは、暗号通貨の土台となっているデジタル分散台帳システムだ。昨今、暗号通貨の価格は暴落を続けているが、ブロックチェーンは、改ざん不可能かつ可視化促進を実現するソリューションとしてさまざまの業界で応用されている。

 オーラの場合、個々の高級品に固有の識別子をつけることで、関係者や顧客らが当該商品の追跡や真正性の確認を確実かつ安全、そして簡単に実行できるようにする。

 オーラのダニエラ・オット事務総長によると、現在までに20以上の高級ブランドがオーラのソフトウェアを採用し、1700万以上の商品がオーラのプラットフォームに登録されている。

 ハンドバッグや靴といった物理的製品のデジタル・ツインを創造することで、オーラのソフトウェアは、材料の種類や資源、いつだれによってどこでどれだけ生産されたかといった各種の情報のデジタル台帳を作成する。その結果、当該商品が本物であることのデジタル証明書として機能し、購入者の保護に大きく寄与する。

https://www.cnn.com/2022/06/26/business/aura-blockchain-luxury-counterfeit-hnk-spc-intl/index.html