Friday, September 02, 2022 11:50 AM
フェアマーキット、調達過程を人工知能で最適化
調達業務デジタル化技術を開発する新興企業フェアマーキット(Fairmarkit、ボストン拠点)は、既存の調達過程効率化ソリューションに人工知能を統合した最適化機能によって、法人向けソフトウェア大手らの市場を侵食しつつある。
テッククランチ誌によると、会社らによる調達業務は二つに大別でき、その一つは、金額にして50万ドル以上あるいは会社によっては100万ドル以上の大型調達で、もう一つは、いわゆるテイル支出(tail spend)と呼ばれる50万ドル以下の調達だ。フェアマーキットは後者に照準し、人工知能を活用してコスト効果の高い調達方法を見つけられるよう支援するプラットフォームを提供している。
同社の共同設立者ケヴィン・フレシェッテCEOによると、オラクルやSAPといった大手らの伝統的な技術が調達業務効率化ソフトウェア市場を牛耳ってきたが、そういった大手らは大型調達に重点を置く傾向がある。フレシェッテ氏はそこで、テイル支出の管理に潜在市場がある考え、2017年に同社を設立した。
ただ、調達管理システムをすでに導入している会社らが、従来型技術を新技術に簡単に切り替えるわけではない。フェアマーキットはそれを打破するために、既存の調達管理ソリューションを統合し、「そのうえで人工知能を適用して、購入しようとしている資材を売り手と合致させる」とフレシェッテ氏は説明する。
人工知能は、利用者らが設定した価格や仕様、持続可能性、多様性といったさまざまの条件にもとづいて売り手(供給業者)の選定過程を自動化する。その過程は、自動ソーシング(autonomous sourcing)として知られる。
「当社はそれを非常に重視している。データを使えば、調達業務過程を完全に自動化し、なおも賢明に遂行できるようになる」とフレシェッテ氏は語っている。
同社のソリューションは、調達過程の簡便化と最適化を同時に実行可能にすることから、顧客会社をじわじわと増やしている。同社は販促を強化すべく、シリーズCの資金調達を実施し、総額3560万ドルを集めたことを9月1日に発表した。
フェアマーキットの従業員数は2020年末時点で70人だった。現在、その数は135人で、2023年にはさらに倍増する見通しだ。
同社のソリューションを採用した会社の数は約100社だ。そのなかにはBPやBTグループ、サービスナウといった大手も含まれる。サービスナウは、フェアマーキットの今回の資金調達において同社への戦略的投資会社になった。
https://techcrunch.com/2022/09/01/fairmarkits-ai-fueled-platform-delivers-autonomous-procurement-sourcing/