Friday, September 30, 2022 11:43 AM

消費者電子製品に人工知能を内蔵するチップの開発に注力

 フェムトセンス(Femtosense、カリフォルニア州サン・ブルーノ拠点)のサム・フォックCEOは、人工知能を走らせる機能が内蔵された消費者電子製品に大きな商機があると考え、人工知能処理機能設計のハードウェア開発に注力している。

 テッククランチ誌によると、オープンAIGPT-3(Artificial intelligence Generative Pre-trained Transformer 3 )のような大規模の人工知能システムは注目されているが、人工知能がどこに導入されるかは、機能性ではなく、消費電力とコストという現実的な制約に左右される。ハードウェア性能の限界や、接続性がかぎられた末端機器では人工知能を走らせることはできないため、人工知能に対応させるにはクラウド電算に依存するしかない。

 フォック氏が問題視しているのはそれらの点だ。

 比較的少ないデータを使って学習する方法を逆解析しようとするスタンフォード大学の「シリコン内脳(Brains in Silicon)」研究班の研究者たちがが設立したフェムトセンスは、補聴器やイヤフォンだけでなく、防犯カメラやテレビ、車の雑音抑制および音声強調といった応用法に人工知能を内蔵させることを目指している。

 それを実現するには、特殊なプロセッサーが不可欠となる。つまり、人工知能機能をシリコンに内蔵させる新たなチップが必要だ。

 フェムトセンスは、その第一世代「SPU-001」をすでに開発したが、概念実証の域をまだ出ていない。ただ、その能力は近い将来に実証される見通しで、2023年には量産が始まると見込まれる。

 ベンチャー・キャピタル投資業界では、フォック氏の考えに可能性があると判断し、同社のチップ開発を支援している。同社は9月28日、資金調達によって総額800万ドルを確保したことを明らかにした。累計調達額は1100万ドルに達し、同社の評価額はそれによって2700万ドルに拡大した。

https://techcrunch.com/2022/09/28/femtosense-raises-capital-to-power-the-ai-inside-of-consumer-electronics/