Friday, October 07, 2022 11:50 AM

ウォルグリーンズ、薬剤師不足にロボットで対応

 薬局チェーン業界全米第2位のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(Walgreens Boots Alliance)は、薬剤師や調剤技師の不足に対処するために、ロボットを使って業務量の軽減に取り組んでいる。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同社は、自動化された中央制御の調剤拠点網を構築しつつある。それぞれの拠点は、面積が1ブロック(都市部内の1街区)ほどある。施設内では、一列に並んだ黄色い機械腕が伸縮かつ回転しながら、色とりどりの錠剤を処方せん通りに分類して容器に詰め、コンベア・ベルトに送り出している。

 ウォルグリーンズによると、処方薬の自動調剤システムによって薬剤師の仕事量は少なくとも25%減り、年間10億ドル以上の経費を節約できると見込まれる。最終的には、薬剤師が予防接種や患者対応、一部の薬の処方といった医療サービスに費やす時間を増やすことが目標だ。ドラッグストアーにとってそういった医療周辺サービスは比較的新しい収入源だ。

 新型コロナウイルス・パンデミックによって、薬局に対する各種の検査やワクチン接種の需要が急激に高まり、ウォルグリーンズ傘下の多くの店舗では、必要な数の薬剤師を雇うのに苦労している。

 同社は、米国内約9000店舗の3分の1において薬局営業時間を短縮した。さらに、薬剤師を確保するために雇用契約締結時に最大7万5000ドルの賞与を提供する店舗もある。

 ウォルグリーンズに自動調剤ソフトウェアや技術を提供しているのは、インディアナポリス拠点の新興企業アイエイ(iA)だ。アイエイは、病院や薬局を含め数百の事業体が展開するチェーン店向けに、約1000ヵ所の処方センターを運営している。処方薬の量はパンデミック前にくらべて約2倍に増えている。

 アイエイのアリシア・ラシエル最高自動化責任者は、「薬局では昨今、処方薬に関する日々の作業を排除したいと考えている」と指摘する。

 ウォルグリーンズは、パンデミック以前にアイエイに4億5000万ドルを投資し、アイエイの過半数株式を取得していた。

 ウォルグリーンズは、最終的に全処方薬の40~50%を調剤センターで処理することを目指している。

https://www.wsj.com/articles/walgreens-turns-to-prescription-filling-robots-to-free-up-pharmacists-11664713243?mod=business_lead_pos10