Tuesday, October 11, 2022 11:50 AM

メイリサーチ、「サービスとしての検索」事業に重点移行

 オープン・ソースの新たな検索エンジンを開発中のパリ(フランス)拠点の新興企業メイリサーチ(Meilisearch)は10月10日、「法人向け」の検索エンジンをサービスとして提供する戦略に移行する計画を打ち出した。

 テッククランチ誌によると、2018年に設立された同社はこれまで、メイリサーチという事業名のもとにオープン・ソース検索エンジンを開発し、「開発者らに多くの価値をもたらす製品をつくり、それによって強力なコミュニティーを形成できた」と同社の共同創設者クエンティン・デ・クエレンCEOは取材に話した。

 大学時代の友人二人と同社を起業したデ・クエレン氏は、質の高い検索体験を実現できるのが資源力(技術人材、資金、技術力)のある大企業にかぎられている現状を打破するためにはオープン・ソースによる共同構築が重要だと考え、約3年前に同社を立ち上げると同時に開発事業を始動させた。

 検索エンジンの質は、利用者たちがさまざまの情報やデータ、そのほかあらゆることやものを検索する際の検索体験を決定づける。また、近年では、多くの会社において、蓄積されたデータ量が膨大になり、独自の高性能検索エンジンを必要とする会社が急増中だ。

 「検索エンジンは、各部署にとって維持および調整するのが非常に難しく、コストがかかることが多い」と指摘するデ・クエレン氏は、そういった課題をオープン・ソース検索エンジンによって解決し、「サービスとしての検索(search-as-a-service)」を提供することで、資源力のない会社でも高性能検索エンジンを使えるようにする、と話した。

 同社の取り組みにはベンチャー・キャピタル(VC)業界も期待を寄せている。メイリサーチは同日、シリーズAの資金調達ラウンドによって総額1500万ドルを確保したことを明らかにした。

 デ・クエレン氏は、フル=マネージド検索エンジン・サービス「メイリサーチ・クラウド」の開発と法人向け販促にその資金の一部を投じ、2023年の初めまでにその「エンタープライズ対応」版を市場投入する見通しを示した。

https://techcrunch.com/2022/10/10/meilisearch-lands-15m-investment-to-grow-its-search-as-a-service-business/