Thursday, November 10, 2022 11:54 AM

IBM、433量子ビットの量子コンピューターを発表

 IBMは11月9日、同社にとってこれまでで最強の量子コンピューター「オスプリー(Osprey)」を発表した。オスプリーは、同社が2021年に発表したイーグル(Eagle)の3倍の量子ビット(qubits)数を持つ433量子ビットを実現した。

 量子ビットの数は、量子力学を利用した量子コンピューターの計算能力を示す。量子コンピューター・メーカーによってさまざまの方法で算出されることから、量子コンピューターの演算力については異なる主張が出てくる場合も多い。

 量子コンピューターは、特定の計算を現在最速のスーパーコンピューターの数百万倍も高速化すると期待される。

 ロイター通信によると、IBMの研究部長ダリオ・ギル氏は、1000量子ビットを超える量子コンピューターを同社が発売する予定であると同時に、さらなる性能拡張のために新たな取り組みにも着手している、と説明した。

 「われわれは現在、オスプリー・チップの大きさの限界に挑戦しているところだ」「そのサイズはすでに大きいが、来年には1000が非常に大きいとみなされるようになるだろう」と同氏は述べた。

 同社はこれまで、モジュラティー(modularity)を土台に量子電算システムを設計してきた。その成果がクアンタム・システム・トゥー(Quantum System Two)だ。オスプリーはそれを基盤として構築された。同氏によると、モジュラティーとは、チップ自体が相互接続される構造を指す。

 IBMは、クアンタム・システム・トゥーを2023年までにオンライン化したい考えだ。複数のクアンタム・システム・トゥーを接続することで、「量子中心型(基盤)スーパーコンピューティングのための基礎となるだろう」と同氏は述べた。

 同社によると、同システムを3台連結することで、最大1万6632量子ビッの電算システムを構築できるという。

 IBMは現在、20台以上の量子コンピューターを世界各地に所有する。顧客会社らはクラウド・プラットフォームを介して同社の量子コンピューターの演算力にアクセスできる。

https://www.reuters.com/technology/ibm-launches-its-most-powerful-quantum-computer-with-433-qubits-2022-11-09/