Wednesday, November 16, 2022 11:55 AM
チップ新興企業のセレブラス、人工知能スパコンを披露
人工知能用に開発された巨大チップ(料理皿ほどの大きさ)で知られるシリコン・バレー新興企業セレブラス・システムス(Cerebras Systems)は11月14日、アンドローメダ(Andromeda)と呼ばれる人工知能スーパーコンピューターを商業および学術研究向けに提供開始した、と発表した。
ロイター通信によると、アンドローメダは、ウエハー=スケール・エンジン2(Wafer-Scale Engine 2)と呼ばれる特大チップを中心に構築された同社の最新型人工知能コンピューター「セレブラスCS-2」システムを16台連結して構築された。
同社によると、アンドローメダは、16ビット浮動小数点フォーマットの精度で1エクサフロップ相当の人工知能電算、つまり1秒間に少なくとも5兆回の演算を実行できる。
オークリッジ国立研究所の米国内最速スーパーコンピューター「フロンティア(Frontier)」は、2022年に入ってから、64ビットで2倍の精度(倍精度浮動小数点数)で1エクサフロップに達した。フロンティアは、核兵器模擬化にも対応できるスパコンとして知られる。アンドローメダは、そのフロンティアに迫る性能を実現したことになる。
「彼ら(オークリッジ国立研究所とフロンティア)は、より大きな機械だ」「われわれは彼らにまだ勝っていない。フロンティアは6億ドルかけて構築された。アンドローメダの構築費は3500万ドル以下だ」と、セレブラスの創業者アンドルー・フェルドマンCEOは話した。
同氏は、複雑な核反応模擬化や気象模擬化が歴史的には倍精度浮動小数点数(64ビット倍精度)コンピューターで実行されてきたが、それにはコストがかかる。同社はそこで、人工知能アルゴリズムがそれに匹敵する演算処理と精度を実現できるかどうかを研究者たちが調べている、と説明した。
フェルドマン氏によると、アンドローメダはセレブラスが所有し、カリフォルニア州サンタ・クララにあるコーロヴォア(Colovore)という高性能データ・センターで構築された。米国内の国立研究所や会社、研究者らはアンドローメダに遠隔アクセスできる、と同氏は述べた。
https://www.reuters.com/technology/silicon-valley-chip-startup-cerebras-unveils-ai-supercomputer-2022-11-14/