Tuesday, November 22, 2022 11:36 AM
顧客対応人工知能音声アシスタントにブランド独自の特性を
顧客対応業務に音声認識技術を導入する企業が増えるなか、将来的には、個々の会社やブランドごとに独自の性質を表現する音声認識技術が使われるようになる可能性がある。
ベンチャービート誌によると、音声認識技術を開発するサウンドハウンド(SoundHound)のリサーチ責任者ズビン・イラニ氏は同誌への寄稿文のなかで、そういった動向を象徴するようなグーグル(Google)の動きを指摘する。
同氏によると、グーグルのサンダー・ピチャイCEOが2018年の開発者向け会議において、音声アシスタント(仮想執事、自然言語処理人工知能)の「グーグル・デュープレックス(Google Duplex)」を実演した際、人間の発話を現実的に模倣する技術によって、「えー」や「あのう」に相当するつなぎの口語表現まで再現された。
会場では大喝采を受けたものの、ソーシャル・メディア上の反応では、あまりにも人間に似ていて恐ろしいといった感じ方や、機械と話していることに気づかないため欺瞞にあたると思えるという意見もあった。最終的に音声アシスタント技術にとって好ましい広報にはならなかった、とイラニ氏は話している。
ただ、同氏は、機械的な仮想執事よりも、個性を出すそういった特徴には肯定的だ。音声アシスタントを顧客対応に導入する会社らに対して同氏が提案しているのは、ブランドの独自性を持たせることだ。たとえば、レストランであれば、店のメニューに精通し、人気のある組み合わせも学習したうえで、アップセル(upsell=客単価が上がるよう、より高額の商品を売り込むこと)できるようにする。また、ブランド・アイデンティティーも表現して、単なる自動質疑応答機能ではなく、顧客へのサービス係と位置づけるべきだと同氏は考えている。
音声アシスタントは、現時点では「召し使い」のように位置づけられているが、実生活で召し使いを雇っている人はほとんどいない。そのため、どのように話しかけるべきかがわからないことから、ぎこちなさを感じる。そうではなく、顧客サービス係と位置づけて、担当者から製品について説明してもらうような会話ができるようになるべきだ、とイラニ氏は論じている。
https://venturebeat.com/ai/purpose-potential-and-pitfalls-of-customer-facing-voice-ai/