Friday, December 09, 2022 11:26 AM

アマゾン、ティックトックに対抗するサービスを立ち上げ

 アマゾン(Amazon)は、カスタマイズされた写真や動画から視聴者(消費者)が商品を直接購入できるようにするティックトックのような機能を自社アプリケーションで利用できるようにする計画だ。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンは12月8日、一部の顧客を対象に同機能を開始し、今後数ヵ月のうちに全米で利用できるようにする予定だと説明した。

 いわゆるソーシャル・コマース(オンライン交流商取引)と位置づけられるその新サービスは、インスパイヤー(Inspire)という名称のポータル・サイトとして機能する。インスパイヤーには、アマゾンのアプリケーションで購入できる商品を紹介する写真や動画が継続的に表示される。

 アマゾンは、インスパイヤーの立ち上げによってソーシャル・ショッピング(ソーシャル・メディア・プラットフォームでの買い物)をさらに拡充し、中国バイトダンス傘下のティックトックの隆盛を支える短編動画経由小売というソーシャル・コマースに便乗するメタ・プラットフォームス傘下のフェイスブックやインスタグラム、アルファベット傘下のグーグルらを追うことになる。

 アマゾンには、数億人規模の顧客消費者基盤という武器がある。同社のモバイル・ショッピング担当責任者オリヴァー・メッセンジャー氏はソーシャル・コマース事業について、「短編動画は、人々が商品を発見し理解するのに非常に役立つ媒体だ」と話している。

 インスパイヤーは、アマゾンのモバイル・アプリケーションの下部に、電球型アイコンとして表示される。利用客がそのウィジェットに触れると、商品を紹介する画像や動画を次々と表示するフィードが起動する。インスパイヤーには、ほかの消費者(アマゾン利用者たち)やインフルエンサー、ブランドらが紹介する商品の画像や動画が掲載(投稿)される。

 メッセンジャー氏は、インスパイヤーに関する利用客たちからの反応を分析して段階的に進化させていく、と話した。

 近年に急激に発展したソーシャル・コマース市場は、アマゾンのインスパイヤーによって市場成長が加速すると同時に、競争のさらなる激化が必至といえる。

https://www.wsj.com/articles/amazon-launches-tiktok-style-feed-in-push-to-accelerate-social-shopping-11670476199?mod=tech_lead_pos5