Tuesday, December 13, 2022 11:10 AM
アヴァルニ、スコープ3排出管理のプラットフォームで台頭
シドニー拠点の新興企業アヴァルニ(Avarni)は、独自に開発したスコープ3の二酸化炭素排出量の算出を支援するプラットフォームの利用会社らを増やしており、今後さらに台頭する可能性があるとみられる。
スコープ3の二酸化炭素排出量を測定することは、会社らにとって難題であり続けている。供給網の実績を把握する必要があり、多数の取り引き先の協力が必要になるためだ。
テッククランチ誌によると、アヴァルニのプラットフォームは、供給網に関する支出データを集計して単一のデータセットにまとめ、それら一連の作業を自動化し、情報開示の準備にかかる時間を数ヵ月からわずか数分に短縮する、とうたっている。また、人工知能を活用して情報開示を支援し、カーボン・フットプリントの変動を予想することも可能だ。
アヴァルニは、同プラットフォームを2021年に市場投入した。以来、二酸化炭素換算排出量にして1億トン、金額にして1000億ドルを上回る支出データを分析したという。同社の顧客には、オーストラリアのKPMGやコンサルティング会社のポイントB(Point B)、太陽光発電技術を開発する新興企業5Bが含まれる。
アヴァルニのソリューションを採用する会社は増加中で、投資業界からも注目される存在となっている。同社はそれを背景に、資金調達を実施し300万ドルを集めたことを12月11日に発表した。
同社創設者トニー・ヤミンCEOは、以前にオーストラリアのKPMGに勤めていた。また、アヴァルニの経営幹部には、ソフトウェア会社アトラシアン(Atlassian)やマックエーリー・テレコム・グループ(Macquarie Telecom Group)での職歴を持つ人物が含まれる。スコープ3の排出量を算出することの難しさを経験してきた者ばかりだ、とヤミン氏は説明している。
オーストラリアのKPMGは、アヴァルニのプラットフォームを採用し、取り引き額の大きい20社に協力を要請し、二酸化炭素排出量のデータを提供してもらい、供給網内の気候リスクを評価している。
ポイントBは、温室効果ガス排出に関する洞察を顧客にすばやく提供する目的でアヴァルニのプラットフォームを使っている。
アヴァルニは、プラットフォームの使用ライセンスに対して月額一定料金を課すほか、コンサルティングといった関連サービスを有料提供することで収入を得ている。
https://techcrunch.com/2022/12/11/avarni/