Thursday, December 15, 2022 11:40 AM
ロブコ、モジュラー式ロボットをサービスとして貸し出し
新興企業のロブコ(Robco)は、モジュラー式で低コストの産業用ロボットを設計するためのプラットフォームを開発した。
テッククランチ誌によると、ドイツのミュンヘンを拠点とする同社は、旋盤を回転させる切削加工と、レーザーを使う彫刻加工、そしてパレタイジング(箱詰めされた商品を決められた配置でパレット上に積み上げる作業)という3種類の作業をおもな焦点とする。
同社は、顧客から注文を受けてそれらのロボットを製作し、顧客にロボットを貸与してそのサービス料を徴収する。ロボットを顧客に販売するのではなく貸し出すことで、それらのロボットを自社資産として維持し、ロボット賃貸契約に応じて他の工場に貸し出すこともできる。
ロブコの事業モデルは、資金力の弱い中小工場にとって自動化やロボットの導入への道を開く。同社はベンチャー・キャピタル業界の関心も集めており、12月11日には、セコイア・キャピタル(Sequoia Capital)が主導したシリーズAの資金調達で1300万ユーロ(約1380万ドル)を確保したことを明らかにした。投資した会社には、キンドレッド・キャピタル(Kindred Capital)やプロムス・ベンチャース(Promus Ventures)が含まれる。
ロブコは、その調達資金を原資として、ミーリング加工や品質検査といった他目的向けモジュールを追加する計画だ。モジュール設計であるため、土台となるロボットの作業部位を交換することで、対応可能の作業を簡単に拡張できる。同社はまた、米国をはじめとする国外市場の開拓に注力する計画だ、とローマン・ホルズルCEOは説明した。
産業用ロボット市場では、過去数年間に数億ドルの資金が投じられたが、ロブコは中小の製造工場に照準している。「最初の標的は部品メーカーだ。次に、職人技を再現する高額のロボットを構築するシステム統合業者らの非常に分散した市場がある。その溝を埋めた会社はまだない」「われわれは、ロボットやソフトウェアを販売せず、それらをサービスとして提供し、具体的な問題を解決していく」とホルズル氏は話す。
同社の事業モデルは、大きなコスト・メリットをもたらす、と同氏は考えている。現時点でロブコのロボットの多くは月額1000ドルで貸与されている。契約期間が長ければ月あたりの使用料は下がる。顧客のニーズが複雑な場合には月額4000ドルに達する場合もある。これまでの事例では10台の導入から始まることが多いという。
https://techcrunch.com/2022/12/11/robco-links-up-with-14m-led-by-sequoia-to-bring-modular-robotics-to-industrial-smbs/