Monday, January 23, 2023 11:51 AM

マイクロソフト、アルスペイスVRのソーシャル仮想世界を閉鎖へ

 仮想現実(VR)技術開発新興企業のアルスペイスVR(AltspaceVR)は、メタヴァースという言葉が一般化する前から仮想社会空間を構築してきたが、親会社の軌道修正を受けて廃業することが決まった。

 テッククランチ誌によると、アルスペイスは、2017年に事業閉鎖する方針を発表したのち、マイクロソフトの傘下に入って事業を存続させたが、マイクロソフトがアルスペイスのVRプラットフォーム閉鎖を決めた。アルスペイスのプラットフォームは、利用者らが三次元アヴァターとして仮想空間で友人や同僚と交流できるウェブ基盤の没入型仮想ソーシャル空間だ。

 アルスペイスは、マイクロソフトの新方針のもと、2023年3月10日をもって同プラットフォームを打ち切る。マイクロソフトは、アルスペイスの技術人材や技術を複合現実(mixed reality=MR)プラットフォームのマイクロソフト・メッシュ(Microsoft Mesh)に振り向ける計画だ。

 マイクロソフトはそれによって法人向けMR事業を拡充し、接続化された仮想協業のためのマイクロソフト・メッシュの拡充に注力する。

 アルスペイスは、2015年時点でソーシャルVRプラットフォームを構築していた。同プラットフォームは、同じ興味を持つ利用者や友人同士が仮想空間で音楽動画を視聴したり、仮想ブラウザーで仮想世界を一緒に閲覧したり、仮想催事の主催や参加といった機能を可能にした。

 しかし、事業継続を可能にする実質的な利用者基盤を築くことに苦戦していた。マイクロソフトは、アルスペイスの技術がメタヴァース構築に有用と判断し、同社を吸収したが、MRへの応用を優先し、アルスペイスのプラットフォーム継続を断念した。

https://techcrunch.com/2023/01/21/rip-altspace-vr-microsoft/