Wednesday, March 01, 2023 11:34 AM
生成人工知能の導入について割れる産業界
チャットGPTに代表される生成人工知能を積極的に導入する会社と、慎重に取り組む会社のあいだで対応が分かれている。
フォーブス誌によると、元国務長官のヘンリー・キッシンジャー氏とグーグルの元CEOのエリック・シュミット氏は2月27日、ウォール・ストリート・ジャーナルに論評を寄稿し、それが「知的革命」の瞬間だと説明した。
それに対し、メタ・プラットフォームスのヤン・ルクン最高人工知能責任者やセールスフォースのリチャード・ソーシャー最高科学者は、生成人工知能について、「意識」と呼べるようなものではなく、人間の作業効率を高めるツールにすぎないという見方を示した。
それら二つの立場は、さまざまの業界大手らの生成人工知能導入姿勢に表れている。
1)コンサルティング
ベイン&カンパニー(Bain & Company)は、生成人工知能技術によって注目されるオープンAIと提携し、チャットGPTや、画像を生成するダーリー(DALL-E)といった生成人工知能ツールを顧客向けサービスに統合していく方針を打ち出した。
一方、PwCのオーストラリア法人は、顧客向けのプロジェクトにチャットGPTを使わないよう従業員らに禁止する一方で、同技術の実験を行っている。
2)消費財
コカ・コーラは、オープンAIおよびベインと協力して、チャットGPTとダーリーをデジタル・コンテント作成過程に統合しつつある。
アボカドス・フロム・メキシコ(Avocados From Mexico)は、スーパー・ボウルの広告でチャットGPTを試験的に使ったが、その後、同技術の本格的導入計画を当面のあいだ見送る決定をくだした。
3)メディア
バズフィード(Buzzfeed)とメタは1月に、オープンAIのAPI(application programming interface)を使ってフェイスブックとインスタグラム向けのコンテントを作成することで1000万ドルの提携を結んだ。
ミディアム(Medium)は、人工知能による生成物であることを開示するかぎり、コンテント制作者らの連携網がチャットGPTを使って作成したコンテントをプラットフォーム上で許可している。
かたやCNETは、過去数ヵ月にわたってコンテントを人工知能で自動生成してきたが、不正確な情報や非開示の問題が指摘されたのち、1月に一時的に中止した。
4)金融
JPモルガン・チェイスやゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ドイツ銀行を含む規制下にある金融機関の大手らは、現時点ではチャットGPTの業務利用を原則禁止しており、従業員たちによるチャットGPTへのアクセスを制限している。
https://www.forbes.com/sites/martineparis/2023/02/27/ai-takeover-coca-cola-and-snap-embrace-chatgpt-while-banks-ban-it/?sh=118a0d251bc6