Friday, March 10, 2023 6:34 AM

元アップル社員設立の新会社、1億ドル調達〜オープンAIと協業

 アップルの元社員が設立したヒューメイン(Humane)という新興企業が最近の資金調達ラウンドで1億ドルを調達し、この春に最初の製品を送り出すと発表した。

 ロイター通信によると、同社はイムラン・チョードリ氏とベサニー・ボンジョルノ氏が2018年に創業し、これまでに2億4100万ドルの資金を集めているが、何を作っているのかはまだ不明で「人工知能(AI)向けに一から構築したソフトウェア・プラットフォームと消費者向けディバイス 」とだけ説明されている。

 同社がインターネット上に投稿した動画や特許出願書類は、ウェアラブル(装着型)装置が現実空間に情報を投影し、ユーザーがその情報を手で操作できるようになることをうかがわせている。

 ヒューメインはまた、人間のような会話文を生成できる「チャットGPT」や画像を生成できる「ドリー(Dall-E)」などのAI製品を開発したオープンAIと協力し、同社の技術を自社のディバイスに統合しようとしているという。

 8日に実施された資金調達ラウンドには、オープンAIの創業者で以前ヒューメインに投資していたサム・アルトマン氏も参加した。また、AIに特化した大規模なクラウド電算インフラを構築しているマイクロソフト(MS)も参加したという。

 ヒューメインは、ソフトウェア・サービス・プラットフォームを市場に投入するため、MSのクラウドと提携する予定だ。やはりアップルのベテランであるヒューメインのパトリック・ゲイツ最高技術責任者(CTO)は「当社の製品は、統合されたディバイスとクラウドプラットフォームを基に構築されており、これによって自然で楽しく、必要とされるAI主導の体験を生み出せるようになる」と話している。

 ヒューメインはまた、韓国の電子機器大手LG電子とヒューメイン製品の将来の(研究・開発)プロジェクトについて、さらにボルボ・カーズのテック・ファンドとヒューメインの製品が自動車業界で使われる最初の例となる可能性がある将来の提携について話し合っているという。