Friday, March 10, 2023 11:39 AM

マイクロソフト、人工知能基礎モデル「フローレンス」を提供開始

 マイクロソフト(Microsoft)は3月9日、人工知能向け基礎モデル「フローレンス(Florence)」の試用版を一般向けに提供開始した。

 テックターゲット誌によると、テキスト・データと画像データの両方で訓練されたフローレンスは、画像分析やテキスト読み取り、画像タグ認識による顔検出といった機械視認(コンピューター・ヴィジョン)機能を提供するアジュール・コグニティブ・サービス・フォー・ヴィジョン(Azure Cognitive Service for Vision)に、製品化可能の機械視認サービスとして統合された、とマイクロソフトは説明した。

 同社はそれにともなって、レディット(Reddit)が最近刷新したヴィジョン・サービシズ(Vision Services)にフローレンスを統合することで、ソーシャル・メディア・プラットフォーム上の画像用キャプションを自動生成することも明らかにした。

 マイクロソフトはさらに、業務用生産性アプリケーションの集合体であるマイクロソフト365でヴィジョン・サービシズを利用可能にする計画を打ち出した。

 キャンブリアンAI(Cambrian AI)の分析家カール・フロイント氏はそれについて、生産性アプリケーション市場で圧倒的地位を確立したマイクロソフトが、「画像処理ツールのような人工知能機能を法人向けツール群全般で使えるようにした画期的事例」と話している。

 また、調査会社ガートナーの分析家アルン・チャンドラセイカラン氏は、コグニティブ・サービスがAPI(application programming interface)として提供されているため、構築中のアプリケーションに開発者たちがフローレンスを簡単に組み込める、と話した。

 ただ、そういった基礎モデルには、利用会社らが軽減しなければならないリスクがある、とチャンドラセイカラン氏は指摘する。同氏によると、「リスクを避けるには、著作権やそのほかの所有権のあるコンテントが人工知能サービスの訓練用データセットに含まれていないことが重要となる」。

 それでも、フローレンスのような人工知能用基礎モデルは、自動車からメディア、小売、製造まで、大量の画像や動画を使うさまざまの業界の会社らにとって魅力的な業務効率化機能になるだろう、とチャンドラセイカラン氏は述べた。

https://www.techtarget.com/searchenterpriseai/news/365532272/Microsoft-incorporates-AI-foundation-model-in-business-apps