Tuesday, March 21, 2023 11:51 AM
ニュアンス、医療処置後数秒で臨床記録を自動生成
マイクロソフト(Microsoft)傘下の音声認識技術会社ニュアンス・コミュニケーションズ(Nuance Communications)は3月20日、医療従事者向けの人工知能搭載アプリケーション「ドラゴン・アンビエント・エクスペリエンス・エクスプレス(Dragon Ambient eXperience Express=DAXExpress)」を発表した。
CNBCによると、DAXエクスプレスは、医師やそのほかの医療従事者らによる診察や医療処置、診療補助、各種の処置後の数秒で発話内容をもとに臨床記録(clinical notes)の下書きを自動生成することで、臨床医やそのほかの担当者たちの事務負担を軽減することをその目的とする。
同技術は、会話のような非構造化データから洞察を形成する遍在的人工知能技術とオープンAI(OpenAI)の大規模言語モデル(large language model=LLM)の最新版であるGPT-4(Generative Pre-trained Transformer 4)を組み合わせることで実現した。
ニュアンスの医療業界向け事業部門のダイアナ・ノール上席副社長は、DAXエクスプレスについて、「医療行為にともなう煩雑な事務作業を簡便化し、それにかかる時間を短縮することで、より多くの患者の治療にあたれる時間を増やせるよう支援する」ことを目指すアプリケーションだと説明した。
マイクロソフトは、2021年に約160億ドルでニュアンスを買収した。ニュアンスは、医師による診察や顧客サービスの電話、録音伝言といった音声を認識して書き起こす人工知能ツールを販売することで利益を得ている。
ノール氏によると、DAXエクスプレスの技術は、55万人以上の医師に利用されているニュアンスの音声認識アプリケーション「ドラゴン・メディカル・ワン」を通じて利用できる。ドラゴン・メディカル・ワンは、医師が声を使って操作できるクラウド基盤の仮想執事で、臨床システムの利用を簡便化し、患者情報にすばやくアクセスできるようにする。
DAXエクスプレスは、口頭での診察やその内容、医療処置の内容を臨床記録に変換するほか、正確かつ高品質であることを確認するために、人間による確認過程を経て転送する。その内容は、診察後4時間以内に電子医療記録に反映される。
https://www.cnbc.com/2023/03/20/microsoft-nuance-announce-clinical-notes-application-powered-by-openai.html