Wednesday, March 22, 2023 6:55 AM

3Dプリント固体電池のサクー、SPAC上場へ

 3Dプリント技術を活用した全固体電池(SSB)の開発を手掛けるシリコンバレーの積層造形技術会社サクー(Sakuu)は、特別買収目的会社(SPAC)プラム・アクイジションとの合併を通じて上場すると発表した。

 エレクトライブによると、合併後の社名は「サクー・ホールディングス」となり、「SAKU」のティッカーシンボルで米国内の証券取引所で取引される予定。合併手続きは2023年7〜9月期に完了する見通しで、企業価値は約7億500万ドルが見込まれている。

 サクーは、23〜25年に計3億ドル以上の発注を受けている。同社が開発した製造プラットフォーム「カビアン(Kavian)」は固体電池を商業規模で製造するために設計されているが、そのための工場はまだなく、世界中で的を絞ったギガファクトリーを計画するため、1月にポルシェの子会社ポルシェ・コンサルティングを雇用している。

 サクーのロバート・バゲリCEOは「革新的な積層造形の到来は、世界の伝統的製造業界に大きな影響を与えるだろう。私たちが開発した電池を印刷するカビアン技術は、数十年にわたる製造業の停滞を打破できる可能性がある。カビアンは、固体電池のような需要の高い製品を迅速にコスト効率よくカスタムプリントできる唯一のソリューションで、次世代の電池製造を想像もしなかった領域へ導くと確信している」と述べた。

 またプラムのアーシュラ・バーンズCEOは「サクーはその大量生産、マルチマテリアル、私のような業界のベテランでさえ感銘を受けた積層造形プラットフォーム『カビアン』を通じて、製造における根本的なステップ変化の機会を示している。固体電池とそれに関連する巨大な市場は会社にとっての第1幕にすぎない可能性がある。当社はこの技術によって非常に資本力のある多くの電池メーカーを追い越せると信じている」と付け加えた。