Thursday, April 20, 2023 11:50 AM

グラウンドライト、新たな機械視認プラットフォームを発表

 人工知能技術を開発する新興企業グラウンドライト(Groundlight、シアトル拠点)は4月19日、新しい機械視認(computer vision)プラットフォームを発表した。

 ベンチャービート誌によると、同プラットフォームは、開発者らが平易な英語の指示によって画像をプログラム的に解釈できるようにする。同社は、動画逐次転送分析や産業用自動化、工程監視、小売業務分析を含め、ほかのアプリケーション群に同技術が統合されることを想定している。

 同プラットフォームは現在、限定的な顧客によって試験運用が進められている。グラウンドライトは、今後数ヵ月以内に提供対象を拡大する計画だ。

 同プラットフォームは、データ科学の経験があまりない開発者でも機械視認ソリューション群をすばやく開発できるという利点をもたらす。通常の方法で開発すれば、最初にデータセットを集めてレイベルを付け、モデルに学習させたうえで、ソリューションを構築して維持管理する必要があり、その一連の過程には数ヵ月かかる可能性がある。

 同プラットフォームは、開発者らが達成したいタスクを自然言語で描写すると、アプリケーション特有のモデルを生成し、その後も人間の監督者からのフィードバックを受けて継続的にモデルを最適化していくことで、その過程を大幅に簡便化かつ短縮する。

 たとえば、開発者は、膨大な行数のソフトウェア・コードを書く代わりに、「マスクを着けている人の数を数える(count the number of people wearing masks)」や「コンベヤ・ベルト上の物体を特定する(identify the objects on the conveyor belt)」といったタスクを指示できる。

 同社では、そういった仕事の流れを「エスカレーション技術」と呼んでいる。従来の深層学習と大規模言語基盤モデルに末端電算(エッジ・コンピューティング)と人間の監督を組み合わせるという手法だ。その結果として、中小製造業者でも機械学習をすばやく導入して生産性を高められる可能性がある。

 同社は今回、1000万ドルの投資を調達したことも発表した。資金調達はマドロナ(Madrona)が主導し、グレイクロフト・パートナース(Greycroft Partners)やファウンダース・コープ(Founders Co-op)、フライイング・フィッシュ(Flying Fish)らが投資に加わった。

 グラウンドライトはこれまでなにも発表してこなかったが、機械視認プラットフォームと資金調達を初めて明らかにしたことで、従来の隠密運営から表舞台に出てきた。

https://venturebeat.com/ai/groundlight-emerges-stealth-10m-seed-round-businesses-computer-vision/