Monday, April 24, 2023 11:54 AM
アーム、独自の半導体を他社と共同生産へ
英国のチップ設計大手アーム(Arm)は、2023年末までの新規株式公開(Initial Public Offering=IPO)に向けて、新規顧客獲得と成長促進を図るためにチップの独自開発に取り組んでいる、とフィナンシャル・タイムスが4月23日に報じた。
アームは、チップの設計に特化し、チップ・メーカーらにそれをライセンスするという業態によってこれまで成長し、特に省電力型チップの設計においては最大手の座を築いた。そのため、アームには独自開発のチップという製品はない。
ロイター通信によると、同社は、複数の製造協力先と組むことで、スマートフォンやラップトップ、そのほかの電子機器類向けのチップの開発を主導する「ソリューションズ・エンジニアリング」という専門部隊をすでに編成し、チップをみずから共同開発する方針だと情報筋が話した、とフィナンシャル・タイムスの記事に書かれてある。
情報筋によると、ソフトバンクの支援を受けているアームは、独自チップの開発に約半年前に取りかかった。生産段階にはまだないが、開発中のチップは、アームがこれまでに設計してきたチップを超える「高度」の製品だ、と匿名希望の業界幹部は話している。
アームは、同製品の設計を他社にライセンスせず、試作品をつくり、協力メーカーらに供給する計画とみられる。アームは、省電力チップの分野で最強であることから、携帯電話メーカーやモバイル・チップ・メーカーらと緊密な取り引き関係を築いている。
それに加えて、さまざまのチップ分野での競争で劣勢を強いられているインテルは4月初めに、アームの技術を採用したモバイル・チップをインテル工場で受託生産し、アームと協業する方針を打ち出している。
アームは、ロイターの取材に応じていない。
https://www.reuters.com/technology/chipmaker-arm-make-its-own-semiconductor-ft-2023-04-23/