Wednesday, May 24, 2023 11:52 AM

マイクロソフト、統合型データ分析プラットフォームを市場投入

 マイクロソフトは5月23日、新しいデータ分析プラットフォーム「マイクロソフト・ファブリック(Microsoft Fabric)」を市場投入した。

 テッククランチ誌によると、同プラットフォームは、アジュール・サービス・ファブリック(Azure Service Fabric)とは別の製品で、マイクロソフトのデータ・レイク製品「ワンレイク(OneLake)」を応用し、アマゾンS3やグーグル・クラウドのプラットフォームからもデータを抽出することができる。

 マイクロソフト・ファブリックはまた、統合に必要な各種ツールを備えており、スパーク(Spark)にもとづくデータ工学のプラットフォームやリアルタイムの分析プラットフォーム、さらにマイクロソフトのパワーBI(Power BI)を活用した視覚化と人工知能分析のツールを使うこともできる。

 マイクロソフト・ファブリックはそのほか、開発者向けとしてノーコードの新機能が導入されている。

 利用者らは、同プラットフォーム上でデータをリアルタイムにモニターでき、通知や動作を自動的に起動させることができる。それらのツールすべてが統合されているほか、今後はマイクロソフトのAIコーパイロット(AI Copilot)にもファブリックが統合される予定だ。

 「過去5~10年間にいくつもの大きな技術革新があった。それはすばらしいことだが、データ・スタックの断片化を引き起こしたのも事実だ」「いまでは数百、場合によっては数千という製品やオープン・ソース技術がある」「統合という税金はもう払いたくないという声が、顧客からつねに聞こえてくる」と、アジュール・データ担当副社長アルン・ウラグ氏は話す。

 同氏は、過去1年かけて、フォーチュン500企業のうち100社以上にファブリックをみずから実演してきた。統合が容易な点と1社のクラウドに縛られない点が、多くの大企業らに好評を博しているという。中心となるデータ・レイクとしてオープン・ソースのアパッチ・パーケー(Apache Parquet)を採用したことが重要なカギをにぎっている。

 マイクロソフトはまた、ファブリックをマルチクラウド対応にすることを選んだ。アマゾンS3にはすでに対応済みで、グーグル・ストレージ(Google Storage)のサポートもまもなく追加される。価格体系も簡略化することで、支出を引き締める多くの会社らの懸念に対応しようとしている。

 ファブリックは現在、無料の試用版として提供されている。また、7月1日からパワーBIのすべての利用者に対して有効化される。

https://techcrunch.com/2023/05/23/microsoft-launches-fabric-a-new-end-to-end-data-and-analytics-platform/